オフィスの野獣と巻き込まれOL

この男、途方もなくキスに慣れてる。慣れてるなんてもんじゃない。

相手を思いのように、とろかしてしまうキスをする。もっと欲しいと、うっとりした目で見つめてしまう。

そうかと思うと、何もかも奪っていくような乱暴なキスをされる。

交互に、波のように私の様子を見ながら攻めてくるなんて。全然、手に負える相手ではなかった。

どうしよう。私、彼の思いのままに動かされてる。

「背中むけて……そう。いい子だね」

私は、キスが欲しいために彼の言う通りにしてしまう。


もう、何回も体を重ねているように、私をどう扱えばいいのか彼は分かっている。

私の中に欲望の火を灯すように、巧に誘い出す。

こんな風にされたら、どうしようもない。相手が悪かった。


私の全身の細胞は、優秀な雄を求めて色めき立ってる。

今よ。

こんなに素晴らしい雄は滅多にいないわ。全身でそう叫んでいる。

どうしようもない。

ファスナーを下ろされて無防備な背中を向けている。

「こっちを向いて」私は、キスを求めて彼に従う。


いい男を求めるのは、長い間培ってきた生命としての本能だから。

なんて心地よいキス……

キスしてもらうことが、素敵だと思ったのは初めてだった。


このままずっとキスしていたいと思ったの、も今までになかったこと。

アルコールとの相乗効果で麻酔にかかってるみたい。

しびれて、彼の魔力から逃げられない。

いつの間にか、うっとりした目でキスを受け入れてる。


まさか、こんな事態になるとは思わなかった。

彼の指は優しくて、手に落ちたと分かると余裕を見せてきた。

時々、これでいいかいとキスで確認してくれる。

それだけでなく、触れる度に私の反応を試すように、じっと見つめてくる。

しなやかな指が、スカートの隙間から滑り込んでくる。

「ちょっと待って、それは、ダメ……」

唇で包み込むようにキスされ、舌でなぞられた。

唇を塞がれて、さらに無抵抗になる。


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