オフィスの野獣と巻き込まれOL

意味はないと思うけど。

少しでも遠ざかるために、ベッドの端に逃げようとした。


「どこに行くつもり?」逃げようとしても、引き戻すのに力はいらない。

指に髪を絡めるだけ。

優しく見つめられるだけでどこにも行けなくなる。

「窓を、開けようかなって思ったんだけど……」

「無理だよ。熱いなら、空調で調整しなきゃ」

「そうね」それは、知ってる。

「暑いなら、布団どかそう」

覆っていた肌掛けまで奪い取られて、私の体を覆うものは何もなくなってしまう。

露わになった私の体を、彼は、じっくり目で味わう。


「ほんときれいな肌だね。もっと見たい。よく見せて」

一度クールダウンしたのに。再び熱い目になっている。

すっと彼が近づいて来て、私を軽くかわした。

私は、キスを欲しがって彼に近づいたのに。

直前でかわされて空振りさせられた。

「ひどい……」

「して欲しいなら、もっとお願いしてごらん?」

どうしよう。キスぐらい何よって、拒まなきゃ。

「いや」

無理だった。言葉で拒絶しても、彼に目を見られれば、私の感情なんかすぐに読み取れる。

「そんなふうには見えないけど。正直に言ってごらん」

「ダメ……」

「でも、嫌じゃないだろう?」私の上気した顔を見て、くすっと笑う。

相手の方が一枚上手だ。

この男は、私の腕を離すつもりない。

骨抜きにするまで離さないつもりだ。



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