オフィスの野獣と巻き込まれOL
「正しいことをしたんなら、胸を張っていなさい。

あなたは、どっちか選ばなきゃいけない時に、正しい方を選んだだけよ」

ママは、こんなふうに簡単に言ってのける。

「それより、
あのバカ息子は何やってるのかしら」

「社長になったんです。
とても忙しくなったんです。
他の事なんか忘れてるに決まってます」

「まさか、そんな理由でいちいち身を引くの?義彦専務と一緒にいる方がいいのかしら?」

「どんな理由だとしても、彼と約束したんです。約束は守らなければ」

「あなたって、ほんと、おバカさんね。
義彦専務が何もかも、計算ずくで行動してるとは思わないの?」

「計算ずく?」

「何年付き合ってると思ってるの?
義彦専務が、あなたの行動を読むくらい、朝飯前だって思わないの?」

「義彦君が?」

「だって、このデーターが必要だって言えば、祐一に渡すに決まってるじゃないの」

「確かにそうですけど」

「そんな約束、守らなくいていいのよ。
少なくとも、うちのバカ息子にちゃんと説明した方がいいわ」

ママは、携帯を取り出さすと私に断りもなくダイヤルを押した。

電話のコール音が鳴りだしてる。

私はママに「ごめんなさい」と謝って店の外に出た。

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