オフィスの野獣と巻き込まれOL
再び車に乗り込んだ。

何もない部屋に居座ることは、出来ない。
義彦君が行先を告げた時、
大音量で呼び出し音が鳴った。

課長?

慌ててポケットから取り出そうとして、落としてしまった。

携帯が車のシートに転がった。

「今頃かけて来てもねえ」義彦君が拾い上げて、電源を落とす。

「美帆、これはしばらく預かっておくね。

すぐに新しいものを用意するから。

前にも言ったけど、君が離れてた時のことは、忘れよう。

でも、これからは、僕の知らないところで勝手に男性と会ってもらっては困るな。

特に、祐一には。

彼の視界に君を入れたくないんだな」

「義彦君……」

「ほんと、僕って嫉妬深いよね。でも、君を思えばこそなんだ。念には念を入れないと。

いくら取引成立したからって、いつ気が変わるか分からないもんね」

義彦君は、ガッチリ私を捕まえて放さなかった。
< 308 / 349 >

この作品をシェア

pagetop