オフィスの野獣と巻き込まれOL

彼は、私に背を向けてシャツを着いる。すでに、身支度を終えていた。

明るい部屋の中で改めて見ると、惚れ惚れするようなきれいな体をしている。

きれいだと気が付いたのは、彼の体だけではない。

彼が振り返って窓の方を見た時、ほんの少しだけ見つめ合った。

昨日まで、気が付かなかった表情にドキッとする。

メガネに隠されていた彼の顔の細かな造作も。

時々鋭くなる眼差しも、知的で複雑な心の動きを表していた。


指でセットされただけの髪も、無駄に整髪料で塗り固めなければ、彼の形の良い顔を引き立てている。

きちんと整えられてる姿は、どこをとっても完璧だった。

見たことがないほどの、素敵な男性。

全体像が見えて、思わず息を飲んだ。


着ているスーツは、どうしようもなく、そのままだったけど。

それ以外は、驚くほどちゃんとしてる。非の打ち所がない。


昨日の男性としての彼の行為も、今まで感じたことのない情熱を感じた。

でも、昨日とはまるで違う。

別人だった。

昨日の彼の熱っぽい目と、今の落ち着き払った態度が同じ人物に見えなくて。

そのことで、私は戸惑いを隠せないでいる。

何気ない仕草も、一つ一つが自信にあふれていているのに。

どうして、逃げるように立ち去ろうとするのだろう。

私は、もう少し彼と一緒にいてこの空気に浸っていたいのに。

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