オフィスの野獣と巻き込まれOL


彼はホテルを出て行こうとしてる。

こんなふうに、会社に行くときは、魔法がとけたように元の彼に戻ってしまうのだろうか。

それは、とても残念に思う。このままの方がずっと素敵なのに。

どう考えても、自信のない姿に戻るのは、もったいないと思うのだけれど。


背筋を張った姿は、本当に素敵だ。この方が、本来の彼に近いのに。

昨日の彼との熱い行為は、夢を見ているみたいだった。

どこを取っても、完璧。有り余る体力に、情熱的な眼差し。

理想に足がついて歩いている。舞い上がってしまう。


今だってあの指先が、私に何をしたか思い出すと、自然に体が熱くなる。

彼と同じ部屋にいるだけで、昨日のこと思い出して胸が熱くなる。

奇跡が起こったみたいに。こんなに夢中になれる人がいたなんて。


彼のことは、分からないことばかりだけど。それが、またいいことだと思った。

知らないことが多い方が、これから知ることがたくさんあるという事だもの。

身体の相性だけではなくて。この人の全部が知りたい。

そのためなら、今ままで手にしてきたもの、すべてを放り出してもいい。



べッドに横になりながら、私は、彼なら新しい恋人になれるかしらと期待に胸を膨らませた。

こんなに好きになれる人って。

ここまで完璧な恋人って、そうそういない。

彼がどうして、素顔を隠すようなマネをしているのか、謎だけど。

徐々に、お互いの事を知っていければ。
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