オフィスの野獣と巻き込まれOL

私は、祐一さんが帰って来てすぐに寝室に呼んだ。

「話って、なに?」スーツを脱ぐ前に彼が聞いてくる。気になってるのだろう。

「えっと……」何から説明すればいいのだろう。

取りあえず、言えるとこから順番に言おう。

「今日、淑子ママが訪ねて来たの」

「ん、それで?」

「私たちの様子を聞いて、嬉しそうだったわ」

「うん。そうだろうね。こうなったこと、本当に喜んでたから」

この人は、淑子ママに私の写真を見せられていたのだ。

それで出会った時は、懐かしさから私のこと好きになったのではないだろうか?

いやいや。たったそれだけで人の心なんか操れるものか。

私は、頷く。

「それで?」彼が心配そうに聞いてきた。

「ええ、お元気そうだったわ」

「そうだろうけど。何かあったのか?」

「いえ、なにも」

「それならいいけど」

私は彼に近づいて、甘えるように抱きついた。

言葉でなんて、とても説明できない。

子供みたいだけど。どうしていいのか分からない時はこうする。


彼は、どうかしたのか?と聞きながら、ぎゅっと抱きしめてくれる。

「夢みたい。あなたとこうしていられるの」
私は、嬉しさでいっぱいになった。

思わず背伸びして、彼にキスをする。

「どうしたの?」

祐一さんは、驚いて身を固くしたけど、それもほんの一瞬だった。

「君から、キスしてくれるなら、どんな理由でもいいか」

感謝を込めたキス以上の情熱を持って、キスを返してくれる。
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