オフィスの野獣と巻き込まれOL
どうしてこんなことになったんだろう。
強い力で押さえつけられた。
手首をつかまれた時の、彼の手の感覚が残っている。
よろよろと立ち上がった。
バスルームに行って、浴槽の蛇口を目いっぱいひねった。
蛇口から、勢いよくお湯が出てくる。
私は、バスタブにお湯が増えていく様子をじっと見ていた。
そもそも、堀川祐一とは、同じ会社で働いているというだけで他には接点がない。
彼に会いに来たのは、ある男性に頼まれたから。
『美帆、あの男、何とかできないかな』
その男は、綿貫義彦。うちの会社の専務だ。
学生のころ銀座の店でアルバイトをしていた時から、ずっと目をかけてくれていた恩人だ。
一時期は、恋人のように親しかった。綿貫専務とは、個人的な関係があった。
関係は、終わってしまってたけど。
一応、友人としての付き合いは続いていた。
そう思ってたのは、私だけだったみたいだけど。
綿貫専務から、堀川祐一を誘い出して欲しいと頼まれた。
彼は、私の手を握って、その場に膝まづく勢いで頼み込んできた。