オフィスの野獣と巻き込まれOL
『頂いたディナー券があるんですけど。
よろしければ、ご一緒しませんか?
そういってあいつを誘ってくれないかな。
美帆なら、あの男と親しくなれると思うんだけど』
ずいぶん変な頼みだと思った。
そんな提案、変だと思ったからすぐに断った。
『ちょっと会社のお金使いすぎちゃって。
なんとか開けてしまった穴を埋めたいのに。
あいつ、こっちの話を聞こうとしなくて』
『このままじゃ、まずいんだ。
どうしても、経理部に聞いてもらわなきゃいけない。
経理部長も分かってくれたのに。
くそっ、経理課長の堀川め。
一人で反対しやがって。
あいつがガンなんだ。
正面から俺のやること反対してるんだ。
どうにかしなきゃ。
美帆、あの男をどうにか説得しなければならない。頼むよ。後がないんだ』
そう泣きつかれて、引き受けてしまった。
頼み事できるのは私だけだって思ったから。
甘かった。
それに、相手の男の方も、引き受けたりしないだろうと淡い期待をしていた。
それも私の甘い考えから、堀川祐一に油断してしまった。
二人でそんな取引をしていたなんて。