オフィスの野獣と巻き込まれOL

『頂いたディナー券があるんですけど。
よろしければ、ご一緒しませんか?

そういってあいつを誘ってくれないかな。
美帆なら、あの男と親しくなれると思うんだけど』

ずいぶん変な頼みだと思った。


そんな提案、変だと思ったからすぐに断った。



『ちょっと会社のお金使いすぎちゃって。

なんとか開けてしまった穴を埋めたいのに。

あいつ、こっちの話を聞こうとしなくて』

『このままじゃ、まずいんだ。
どうしても、経理部に聞いてもらわなきゃいけない。

経理部長も分かってくれたのに。

くそっ、経理課長の堀川め。
一人で反対しやがって。

あいつがガンなんだ。
正面から俺のやること反対してるんだ。

どうにかしなきゃ。
美帆、あの男をどうにか説得しなければならない。頼むよ。後がないんだ』


そう泣きつかれて、引き受けてしまった。

頼み事できるのは私だけだって思ったから。


甘かった。

それに、相手の男の方も、引き受けたりしないだろうと淡い期待をしていた。

それも私の甘い考えから、堀川祐一に油断してしまった。

二人でそんな取引をしていたなんて。
< 40 / 349 >

この作品をシェア

pagetop