オフィスの野獣と巻き込まれOL


腹が立った。しばらくは、散々キモの事を罵った。

その後、だんだん気持ちが沈んできた。

考えれば考えるほど、何も考えてこなかった自分の行動を思うと落ち込んできた。

なんてバカなのよ、私。

一人になって、自分のバカさ加減をこころ行くまで罵りたい。


ほんの数日前の事だけど。

普通の神経してたら、目が合ったら挨拶ぐらいするはず。

それを、まるで無視なんて。

『お前の記憶なんて、とっくに消去した』って事?

声をかけて欲しいて思ってたわけじゃなかったけど。

だからって、無視しなくたっていいじゃん。

「キモ川のバカ、アホ、死んじゃえ!」

呟きながら、歩いてたら電話が鳴った。


「あっ……」

怒りに任せて、ずんずん歩いてきてしまった。

駅までの道の半分を、歩いてきてしまった。


――美帆?今、どこにいるの?俺、ロビーについたんだけど。

――ロビー?

ああ、そうだった。

何も考えずに、早足で歩いてた。ロビーはとっくに過ぎていた。
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