オフィスの野獣と巻き込まれOL
『どうして、大学に行く必要があるの?』
私の頭の中には、生活するのに十分なお金さえあればいいと考えていた。
『バカだねえ、お前は。いつの間にそんなに賢くなったのよ。
勉強が足りてるっていうわけじゃないでしょう?そういう人間は努力しなきゃダメなのよ』
学校やめたいという私を、ママが励ましてくれた。
どうにか学業と仕事を両立させ、その生活にも慣れていった。
卒業できたのも、ママが私の背中をずっと押してくれていたからだ。
そんな時、私は義彦君に出会った。
彼は出会ったころから大きな会社の偉い人で、うちの店の常連さんになってくれた。
お店に来ると、いつもにこにこして、たくさんお金を落として行ってくれる。
お店にとってもいいお客さんになった。
義彦君は、店に来ると必ず私を指名してくれた。
多分ママが、こっそり私の事情を話しておいてくれたのだ。
何度も指名してくれるうちに、私は、義彦君に自分のことを話すようになった。
『就職大変なんです。学費稼ぐために、こうしてバイトばっかりしてたから。
履歴書、全然埋まんなくて。お酒作るの上手くなりましたとか。
この店でナンバーワンでしたって言っても、面接通らないよね』とため息ついた。