オフィスの野獣と巻き込まれOL
山科君には、直接手を下すのは断られたけど。
手に入れたい伝票が保管されているファイルの場所は、ちゃんと教えてくれた。
まあ、一緒に探してくれればすぐに終わったんだろうけど。
彼のような真面目な人間には、犯罪の片棒を担ぐみたいで、協力するなんてあり得ないのだろう。
ファイルの収まってるキャビネットの位置さえ聞き出してしまえば、なんとかなるというものだ。
山科君はこう言っていた。
『専務が堀川課長に断られた伝票がどこにあるか知らないかって?美帆、何考えてるの。
いったい何を始める気?』
『取引した内容のこと知りたいの。
ああそっか、教えられないっていうより、山科君じゃわからないか。担当じゃないもんね』
『いや、そんなことない。調べればわかるけど』
『マジで?すごいじゃん』
『そんな嬉しそうな顔したって、無駄だからな。そんな伝票見つけたって美帆にはどうしようもないだろう?』
『分からない時は、分かる人に聞くからいいのよ』