オフィスの野獣と巻き込まれOL
私たちはロビーを突っ切って、腕を組んだまビルの正面の大通りまでやって来た。

彼は、いきなり空いている方の手を上げてタクシーを呼んだ。

タクシーがやって来てドアが開くと、無理やり私を車に押し込めた。

私は、腕を外されないようにさらに強くつかむ。

「よせ、バカ。車に乗れないじゃないか」キモが悪態をつく。

「私を押し込めて、さよならしようって訳じゃないでしょうね?」

「違う。いいから、奥に行けって」

運転士さんが、お客さん乗るんですかっていう目で見た。

私は、素直に奥の方に移動した。

キモは、言う通りタクシーに乗り込んできた。



彼は、「銀座に行ってくれ」と運転手さんに伝えた。

「どうして銀座に?まさか。酷いことしたって悔い改めて、私にご馳走してくれるの?」

キモは、キッと鋭い目で睨みつけると、黙って腕組みした。

多分、本気で私のことバカだと思ったんだろうなと思った。
< 91 / 349 >

この作品をシェア

pagetop