臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
疑問に思ったけど、それはそれでいいか。

それから会場の中で緩やかに歓談が始まり、会場のあちらこちらで名刺交換が始まった。

会長の誕生日……と言うよりも、会社で主催するパーティーはいろんな企業が集まるからねぇ。

一番人が集まっているのは、やっぱり会長のところだけど、すごい人。

ああ。今日の会長は作業着ではなく紋付き袴姿だ。

例に漏れず、社長にもちらほらと取引先の人が来て話を始めてる。


……私もチラチラ見られたけど、うっすら微笑みを浮かべて無言でいると、そのうち興味は離れていった。


「何か食べるか?」

ちょうど人がいなくなった瞬間に声をかけられ、社長を見上げる。

「何を召し上がりますか? 取ってきます」

「馬鹿。離れるつもりか、お前は」

ああ。そんなつもりは無かったんだけど。

社長と並んで歩きながらテーブルを回り、何となく好きなものをお皿に取っていたら、訝しそうな顔を向けられた。

「そう言えば、叔母に何か言われたのか?」

「え? 先程ですか?」

「笑顔が固まったのがよく見えた」

んんん? いつだろ。

ああ、あれかな。

「社長が駄目ならって、副社長の息子さんを勧められました」

「……ふぅん? 別に駄目って事はないんだがなあ」

「…………」


はい?


思わず固まって、まじまじと社長をみつめる。
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