臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「とにかく何かつまみましょう。腹が減っては戦は出来ませんよ」

「ああ。お前もこれを戦認識したか」

「しますよ。あれだけ敵意向けられたら」

「まぁな……」

そう言いながら、二人でせっせとお皿に盛った食べ物を口に運んで会場を見渡す。


さっきまでは浮き足立っていたし、その場に飲み込まれかけたけど、冷静になってみると全体を見ることができた。

渦中にいないと思えば、いつも裏方仕事しているわけだし、落ち着けば気がつく事も多い。

今、会長の回りにいるのは、きっと旧知のお歴々。あそこだけは緩やかに暖かく時間が流れている。

きっともう悠々自適な生活が中心の方々の集まりなんだろう。

そして、副社長などの重役たちの回りにいるのは、取引先などの人たち。

熱心に名刺交換している。

それから、峰社長……もといチーム大和撫子の回りに集まる、華やかで清楚なお嬢さんたち。

あれは……たぶん社長狙いの集団だと認識しておこう。

きっと、彼女たちの間では、厚顔無恥な秘書が“隼人さん”の隣にいるとでも噂になってるんだろうな。

後はずいぶんホテル側は、教育行き届いたウェイターとウェイトレスを配置してくれてる。

空のグラスやお皿なんかが置きっぱなしに……なんてなってない。


それから……と、社長を見上げ。

「社長は本当にお友達がいないんですか?」

「……コミュニケーションが苦手なのは認めよう。ただ、全くいないわけでもないぞ」
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