臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
***



「美和、起きろ。着いたぞ」

……どこに着いたの?

「小杉の家だ。お前、あまり安心するな。そんな可愛い顔してると襲うぞ」

可愛いとは言われたことがないなぁ。

しっかりしてるとか、お姉ちゃんらしいとは言われたことがあるけど。

おかげで大学に行くまで、弟たちの世話係は私の仕事だったし。

「ふうん? 大学では遊ばなかったのか?」

「ガリ勉って呼ばれていましたから、そんな女を誘う人は……」

言いかけて、パッと目を開いた。

開いた瞬間に見えたのは、どこか気だるげに私を見下ろしている秀麗で綺麗な顔。

「天国……?」

「お前ね? いくらなんでもそれはないだろう」

途端に不機嫌そうになった社長の顔に、あんぐりと口を開けた。

いつの間にか横になった体勢、そして見上げると社長の端正な……。


「ぎゃああああ! す、すみません、すみません!」

あろうことか社長に膝枕されてるし!

慌てて起き上がると、呆れた視線を返される。

「気にするな。グラグラしてたのを横にしたのは俺だ」

「いえ。社長を目の前にして寝てしまうなんて、すみません」

「今は就業時間帯じゃない。だけど美和。男の前で無防備でいるのは勧められない。酒を飲むなとは言わないが、少し考えた方がいいぞ」

「は……はい」

乱れた髪を直しながら、顔を真っ赤にする。

今、どこかに穴があったら私は喜んで飛び込めそうだよ!
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