臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「じゃあ、一緒に飯を食いにいこう」

じゃあって……。まあ、いいけど。

「……なら、庶民的なお店にしましょう。いつも思うんですけど、社長は散財し過ぎです」

「あのな“社長のおごり”で、質素な所には連れていけないだろ」

「そんなステイタスで判断しないで下さい」

「そこは……男には見栄もあるし」

目を細めた社長に、ニッコリと愛想笑いを返す。

男の人のプライドはわからないでもないんだけどね……たまに社長はメンツに拘るから。

確かにプライドは、全く無いより、ある程度あった方がいいんだろうけど。


「私を相手に見栄はいりません。だいたい外食ばかりで、カロリー高いものばかり食べていたら太りますよ」

社長は眉を上げ、それから自分のお腹を無言で見つめた。


うん。ごめん。気にしたらしいな。


「……本気にしないで下さい。何だかいじめたみたいで、私が居たたまれなくなります」

「一応、帰ったら運動している。それに店を選んでいるのはお前だろう」

「そうなんですが……今日は何がいいかなぁ。どうせなら、社長が行かないような所をチョイスしたいです」

社長は黙ってコーヒーを飲みながら、なんとなく目が輝いたような気がして思わず笑った。

「居酒屋は……行ったことがありますか?」

「さすがにあるぞ。羽柴が飲みに誘うのはチェーン店の居酒屋だ。元々俺は彼の部下だったからな」

おう。なんか偉そうな元部下がいたものだ。

……あ。私も人の事を言えない気もしてきたけど。
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