臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「俺は……どちらかと言ったら、詰められてる気がするんだが」

「今は詰めてます! だって社長、仕事が終わると我が儘放題じゃないですか。普通、常識的に考えて、人の嫌がることはしちゃいけませんって習いますから!」

「我が儘は人を見て言っているが」

人を見て我が儘を言うのもどうなんですか?

この人なら“我が儘言っちゃってもオーケー”的な切り分けがあるんなら、伺いたいものだよ。


……って、あれ? 何だかおかしいことを聞いた気がするな?

首を傾げたら、社長はニヤリと笑った。

「お前は、俺に相当甘いと思うんだが」

「そうでしょうか……?」

「お前にそんなつもりは無いのかもしれないがな。たまに罪悪感を感じないこともない」

……えーと。それはどっちだ?

「正直、助かっているのは確かだよな」

そう言って、すんごい良い顔して笑うから、思わず鼻を抑えた。

不意打ちダメ。不意打ちは!

「何やってんだ、お前は……」

社長は訝しそうに眉を寄せ、覗き込んでくるから堪らない!

「あまり顔を近づけないで……! 私が挙動不審になりますから」

「いや。もうすでになってんだけどな」

それはもう、何となく気づいてる。

「しかも、人の顔を見てその反応は無いんじゃないか?」

「だ、だって……」

顔が好みだって言ってるじゃないか。
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