臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
好みじゃない顔が近くにあっても似たような反応はすると思うし、好みの顔なら……なおさら恥ずかしいって。

顔を隠して離れていく私を社長はしばらくじっと見て、それから首を傾げる。

「お前、本当に俺の顔が好きなんだな」

しみじみ言う事じゃないから!

何なんですか、私をいじめて楽しいですか!

「じゃあ、ちょっと寄り道するか」

「は……?」

唐突に何を言うの?

「まだ21時だし、問題ないだろ?」

「まだ週明け月曜日ですから。社長は体力残っているかもしれませんけど、私はあまり余力ありません」

「人を体力お化けみたいに言うんじゃない。まぁ、男と女じゃ基礎体力が違うんだろうな。気をつける」

……社長は、いったい何に気をつけるつもりなんだろうか。

それよりも、私は今、社長に怒っていたような気がするんだけども。

「美形は得ですね」

「……女に美形と言われても、全く嬉しくないんだが」

真面目に言う私に対して、やはり真面目に返してくる社長。

「そろそろ到着しますが?」

小杉さんの言葉に、社長が無言で運転席を見た。

「もう一周しましょうかね……」

諦めた小杉さんに、私も諦めよう。


「どうしたんですか。今日の社長はいつもと違いますよ?」

「今日はおっさんばかり見ていたから、もう少し目の保養をさせてくれ」

「……は?」

本当に、何を言ってんだ、あんた。
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