臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
社長が物事を考える時は、何故か思いもよらない返事が返ってくる。

私が浅いだけなのかもしれないけど、もしかしたら、社長は人より一段踏み込んで物事を見ようとしているんだろうか。


他人が他人を見る時なんて、表面上の事がほとんどでしょう?


私は“地味”で“真面目”、それから“マイペース”に“度胸がある”とか……そんな風によく言われる。

仕事がしやすいように身なりを整えていたら、結果として地味になっただけで、考えている事をわざわざ言う必要もないから、傍から見たらマイペースに働いているように見えるんだろう。

真面目かと言われたら実はそうでもない。

だけど、自己主張が少ない人間をどう評するかと言ったら、たぶんソレしかないだろうし、会社員としてはそれが普通だと思っている。

……度胸があるかはわからないけど、物怖じはあまりしないのは確かなのかもしれないなぁ。


でも、それが私の“全て”じゃないんだろうとも理解してる。


人間をたった四つの単語で言い表せたら、それはそれで凄いんだし……。


そんな事を考えていたら、目の前の社長の雰囲気が少しだけ不機嫌になっていた。

「お前なぁ……」

「あ……えっと、すみません。考え事をしていました」

「男に触られながら考え事するんじゃねえよ。お前、かなり危ない」

ふにふにと頬を抓られて、苦笑した。

「だって、車中ですし。さすがに小杉さんの目の前で何かするとは……」

「甘いな」

そう言うが早いか、社長は私の肩を引き寄せる。
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