臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「あー……大丈夫。ビックリした」

そう言いながらハンカチで口元を押さえ、指先で涙を拭いてから彼は私を見た。

「そんな話も社長としているの?」

「他の方をお誘いしてはいかがと申し上げましたら、そう仰っられていました」

「あー……そう。誘われても断っているんだ」

「あまりにも毎回ですと申し訳ありませんし。それで、二人はお付き合いしているんですか?」

「してない」

詩織が答えて、その答えに飯村さんが彼女を素早く見ると、ほぼ同時に睨み合う。

ふむ。これは意見が別れたんだな。

でも、まぁ、相手は詩織だし。この子の恋愛観は私が聞いてもおかしかったから……。

「大変そうですねぇ」

呟くと、飯村さんは遠い目をした。

「西澤さんは、噂以上にマイペースなんだね……」

「噂は噂でしかありませんし。世の中色んな人がいますよね」

お味噌汁を飲んで、ふぅ……と溜息をつく。

このお味噌汁も美味しいけど、勝子さんのお味噌汁が美味しかったなぁ。
お出汁がちゃんときいていて、なんとも優しい味がした。

そんな事を考えていたら、詩織が私ににじり寄ってくる。

「ねぇ。最近、社長とうまく言ってないの?」

「へっ!?」

「月曜日に、春日井が副社長室に書類を持っていった帰り、社長室を覗いたら、あんたが難しい顔をしていたって言う噂よ」

……月曜日に。

月曜日という単語は、いろんな事が連想されるんだけどなぁ。
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