臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「……何してるんだ、お前は」

急にかかった声に飛び上がり、慌てて振り返ると、開いたままのドアに社長がもたれかかり、無表情に腕を組んでいる姿が見えた。

「ぇええと。何もして……ないんですけど……」

「そうみたいだな。用事は済んだのか?」

「あ。はい……これから業務に戻ります」

言いながら窓から離れて、社長室から出ようと思ったんだけど……。


社長がよけてくれない。


あれ。どうした社長。不機嫌じゃない?

不思議そうに見上げた私に、無言で見下ろす社長。

何故か社長は後ろ手にドアを閉め、カチリと鍵を掛けた。

「……あの?」

「孝介と社食で昼食が、お前の“用事”か?」

はい?

「さっき、副社長室で会った。春日井には気をつけた方が良いみたいだな」

ああ。そうですね。それは私も思いましたけど……。


どうして社長はじりじりと近づいて来るのかな?

無言プラス無表情で近づいて来られると、流石に怖いんですけど。

一歩近づかれると、一歩下がるを繰り返し始める。


「あの……社長? 午後から仕事がありますから」

「そうだな。楽しい昼休憩だったか?」

まぁ、詩織もいたし、それなりにリフレッシュ出来たとは思うけど。

それよりも、今は、それどころじゃないって言うか?

社長、身長高いから、こうして間近に立たれたら威圧感が半端ない。

嫌な汗が背中を伝う頃、とうとう腰がデスクにぶつかった。

これはヤバイ?
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