臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
仲がいいのか悪いのか。

正直、春日井さんが私を慰めようとしているのは驚きだけど、女王様は女王様で根は悪い人ではないらしい。
他人事で眺めているうちに、何故か3人で買い物に行くことに決定されてるし。

どっちでもいいんだけど……と、思っていたら、ちょうど廊下を社長が歩いている姿が見えた。
野村さんと、会話しながら歩いてきて……渋い顔をしている。

今日の予定に地味に難癖つけてるのかなぁ。予定的には会食も会議も入っていたよね。

頬杖をつきつつ眺めていたら、通り過ぎようとした社長が顔を上げ、秘書課を見るから目が合った。

え? 社長、今まで普通に通り過ぎていたよね?

驚いた私と、瞬きして一瞬立ち止まった社長。だけど、彼は野村さんに何か言われて歩きだした。

何かございましたか? ……でも、私には関係ないか。

そのうち業務が始まり、羽柴さんにミーティングルームに呼ばれて打ち合わせを始める。

「常務の方の仕事は、ある程度減らしてもらっているから」

「え。前からも平常時はそんな大量にありませんでしたけど?」

けろっと言うと、羽柴さんが驚いた顔をする。

「そう……? 君が社長に付いている間、春日井さんは文句たらたらだったよ?」

「それは春日井さんには、彼女なりのペースがあるからでしょう」

書類一枚増えても、春日井さんは文句を言うもん。

「とりあえず、西澤さんはもろに関係者だから伝えるけど、君も関わった事業部の件があるでしょう?」

うん……?
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