臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「おま……本当に遠慮がないな」

……確かに、今のはなかったかな? 顔を赤らめて、肩を震わせている社長を眺めた。

「しゃ、社長ほどではありません」

「それは間違いない。ありがとう」

何に対してのありがとうかわからないけれど、そそくさと社長室を後にしてデスクに戻る。


だいたい私は社長よりも若いよ! 若いけど……たぶん私も偉そうかもな。


だってさー、なんか近くで見る社長って子供みたいな時があるんだもん。

遠くから見ている社長って、いつも表情崩さないで超然としていて、仕事も文句言わずにこなしていて……大人だなぁ、いい男だなぁって思ってたんだけど。

全然違うじゃん。


「なんていうか悪ガキで、考えは実は浅はかで、きっと底意地悪いから長生きしそうだよね」

「おお。長生きするつもりではいるぞ」

背後からかかった声に、びくっと飛び上がった。

恐る恐る振り返ると、開いた社長室のドア。

そこに腕を組みながら肩を寄りかからせ、冷静な表情のままで私を眺めている社長の視線。


ちょっぴり楽しそうなのは気のせい?


「お前はある意味で裏表無くて助かるな。出かけるぞ」

「え?」

出かける予定なんてあった?
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