臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
まさか、社長が食べてるの眺めてろとか言うわけじゃないよね?

とりあえずローテーブルにコーヒーのトレイを置いて、ガサゴソと彼が包装紙を破っているのを眺める。

まぁ、眺めてもいいなら、眺めさせてもらうけど。

社長って、もうちょっと愛想が良かったら、どストライクな顔してるのになぁ。

眺めているのが至福。眼福。眼の保養ってね。

しかも笑った顔は、まぁ滅多に見ないもんねぇ。

貼り付いたような営業スマイル以外は、ほぼ見ない。


「社長って、いつも険しい顔していますよね」

「四六時中笑ってたら気持ち悪いだろうが」

確かに……! ではなくて。

納得してどーすんだ。

「普通の顔してたらイケメンなのに」

「こんな顔はどこにでもあるだろ」

そんなわけないでしょーが!

「とりあえず、ほれ」

爪楊枝に刺した芋羊羮を差し出される。

え。くれるの? 嬉しい~。


「ありがとうございます」

身を乗り出してパクンと芋羊羮を食べた。

うん。丸屋の芋羊羮は本当に美味しいよね~。

添加物なんかは入れてないのが有名で、そのぶん日保ちはしないけど、さつま芋そのまんまって言うか、冷やして食べても、ちょっとオーブンで焼いても美味しい。

ホクホクしていたら、硬直して固まった社長の顔が見えた。
< 76 / 255 >

この作品をシェア

pagetop