いつか必ずあなたの心掴むから
別れの朝
「お前っていい嫁さんになれるよ」


と影は最後の晩餐?の席で言った。


「最後ぐらい、静って呼んでよ」


と私は涙を堪えて言った。


「ああ?名前で呼んだ事あるぞ」


と影は答えた。


「私は聞いてない」


「いや、言った」


私達は睨みあった。


「ご馳走様、風呂入ってくる」


と影は行ってしまった。


怒らせちゃったかな・・。



今夜が最後。絶対バージン捧げる!!


と鼻息荒くお皿を洗っていると影がお風呂から出て来た。


冷蔵庫を開けて缶ビールを飲んでいる。


これもいつもの事。いやたった1週間の出来事。


私はシンクをふいてダスターを取り換えようと振り返ったら影と目が合った。


「なに?ビックリした」


と私は目を丸くした。


影はビールを持ったまま壁に寄り掛かって私を見ていたのだ。


「な、なに?」


と私はまた聞いた。


影は飲み干した空き缶をグシャッとつぶして


「別に」


と言って寝室へ行ってしまった。



ああ。見つめられただけでこの鼓動。やっぱり今夜頑張るぞ!


私はお風呂に入って念入りに体を洗った。


髪の毛は男物のシャンプーだからギシギシだけど


ボディソープはいい匂いがする。


私は勇気を振り絞って素肌にTシャツを着た。


そして寝室へ行った。


ドキドキしながらベッドへ歩いた。


「え?」


影はもう眠っていた。
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