私、今から詐欺師になります
 そうですか? と最後まで言葉を出すことも許されず、茅野は折れる。

「お前も働いてたのなら、職場の人間と仕事が終わったあと、食事に行ったりしてただろ?」

 それと同じだ、と言われた。

「そうですけど。
 秀行さんと出会ってからは行けませんでしたね、ほとんど。

 食事をしている先にまで現れていたので」

「何故、その時点で、ストーカーとして通報しなかったんだ……」
と穂積は言ってくる。

「では、玲さんたちもお誘いしてみましょうか」
と微笑みかけたが、

「玲は誰かと呑みに行くと言ってたぞ」
と穂積は言う。

「そうですか。
 では、下の喫茶ででも、お待ちしています」

 そう深々と茅野は頭を下げた。






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