私に恋してくれますか?

知らなかった事。

4月の3週目の週末に引越しを決めてから
更にトオル君は私の隣に寄り添うようにそばにいるようになった。

仕事を早く切り上げ、私を腕の中に入れ、
髪に鼻を埋め、頬を撫で、何度もくちづけをする。

私は呆れ気味に、
「引越しても、毎日、仕事に来るけど。」とトオル君の腕の中で、言ってみるけど、

「一緒に暮らすのとは違う。」と呟く。

でも、私が引っ越す事は止めないし、
私の部屋のテレビを見れるようにしたり、棚を組み立ててくれたり、
引越して直ぐに私が困らず、生活出来るように手伝ってくれている。

頼りになるというか…
甲斐甲斐しいというか…。

離れがたくて、困ってしまう。


トオル君はベッドの中で、抱き合った後も、私が眠ってしまうまで、
髪を撫でて深く抱きしめた。

私達は引っ越しても、夕食は一緒に食べよう。とか、
週末は一緒に過ごそう。と何度も約束を重ねた。


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