乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
 雅輝が創った総レースのマリアベールをし、至るところにダイアモンドをちりばめた、裾がとても長いマーメイドドレスで入場した杏樹に誰もが息をのんだ。

 表側はダイアモンドがちりばめられゴージャスなイメージだが、バックスタイルは腰から下にデザインされた花形のモチーフが可愛らしさを演出していた。

 誓いの言葉を交わし、お互いを向き直り指輪交換、誓いのキスまで滞りなく終わり、披露パーティーに向かう。

 披露パーティーの目玉は、やはり内装用の帯を手掛け、杏樹の打ち掛けを作った白愁先生の作品だった。

 鮮やかな紅い打ち掛けに、金と銀の鶴の刺繍に所々に散りばめられた大きな牡丹の花。よくみると、その牡丹の花も刺繍で描かれ、数ヵ月で仕上げた白愁先生のすごさが感じられる。

 酒樽の鏡開きで始まった披露パーティー。

 ほろ酔い気分になった雅輝が杏樹にベタベタと甘え始めキスをするハプニングに見回れたが、みんな和やかな雰囲気に包まれて、杏樹も雅輝も楽しく過ごした。

 教会式で使用したウェディングドレスで入場すると、一番はしゃいで煩いくらい"素敵~""キャー"と黄色い声を出していたのは、絵梨となずなだった。横にいた五嶋さんは、耳を塞ぎ二人を軽く睨み付け迷惑そうな顔をしていた。

 ケーキ入刀した所で、杏樹は一旦お色直しにさがった。

 暫くしてから雅輝もさがった。

 杏樹と雅輝は、サプライズを考えていた。悠一と渉に以前頼まれていた"幸せのぬいぐるみ"が仕上がり披露パーティーでダブルプロポーズをしたいと言われ、それにのっかたのだ。

 愛犬プードルに似せたぬいぐるみをなずなに、猫が大好きな絵梨には猫のぬいぐるみを雅輝は準備した。

 何も知らない絵梨となずなは、びっくりするだろうなと杏樹は一人でニヤニヤしていた。

 悠一と渉は、緊張してるだろうなと雅輝は雅輝で笑ってしまった。 

 二人は、腕を組みもうひとつの腕に、それぞれプードルと猫のぬいぐるみを片手に抱っこし入場し、それを悠一と渉に渡す手筈になっていた。

 入場すると目敏い会場客からは"新作じゃないか?"と声が聞こえ始める。

 暫くすると杏樹と雅輝にあっていたスポットライトが突然消え、会場はざわめきだす。

 その間に緊張しているだろう男性二人にぬいぐるみを託し、自分達の席に着き、二人の様子を見守る。
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