乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
「悠一かよ…。」

 ため息をつきながら雅輝は立ち上がる。

「エクレアは俺と、この可愛こちゃんの分と言うことで、お前のはなし!」

「あっそれは困る…。」

 二人はフランクに会話をしており、親しい間柄とみてとれる。雅輝はぶつぶついいながらも、休憩するリビングに向かって行く。

 二人が並ぶと迫力があり、杏樹はボーと眺める。

 この悠一という男性は、体格の良い雅輝とは違いすらりとした長身で、シャープなあごに軽いウェーブの茶髪。しっかりとビジネススーツを着こなし、ネクタイまでしっかりとしめ、暑いはずなのに汗もかかずに、涼しげな出で立ちな爽やかイケメンだ。

 中身を知らない人間が見たら、爽やかイケメンに肉食野獣の絵が出来上がりそうだ。

「杏樹。エクレア食べようか?これ、美味しいよ。」

 不意に雅輝に声をかけられる。

「私も一緒にいい…の?」

「いいよ。こいつ、七瀬悠一。友人でたまに、お菓子の差し入れしてくれる。」

「初めまして。わけあって居候してます。立花杏樹といいます。」

 二人は深々と営業マンのようにお辞儀をかわす。

 

 三人でエクレアと杏樹の入れたミルクティーを飲みながら休憩する。

「杏樹ちゃんは、普段は何してるの?」

 しばらく時間がたち、悠一に質問される。

「オフィスーリアンーの企画課にいます。」

「…へー。リアンにいるんだ。」

 悠一が一瞬ビックリしたような顔をしたが、さほど気にもならなかった。どうせ、企画課だというのに驚いたんだと思ったからだ。

「でも、リアンの企画課は今、ウェディングの企画で忙しいんじゃないの?」

 悠一に言われた一言に、杏樹はぴくっ反応し、机を叩きながら"聞いてくれます!聞いてくれますよね!?"と立ち上がる。
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