乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
ふたりは友達以上恋人未満?

 ープルル プルルー

 電源を入れた途端鳴り響く、携帯電話。

 表示をみると、絵梨からだった。

「もしもし。」

『あっやっとでた~!!』

「ごめん、会社からと、あいつらからの電話が煩くて、切ってた。」

『やっぱりね~そうじゃないかと思ってた。もう大変でさ、血眼になって画家の連絡先探してるみたいよ!』

「…そうなるわね。」

『あんた、今、どこにいるの?一旦、アパートに戻った方がいいよ!部屋、引っくり返されてるかも!』

「はぁ!?」

『部屋中探したけど見つからなかったって二人で話してたから。』

「えぇ~!!何それ?」

『今日と明日は、二人で出張だから、一旦アパートにかえっても大丈夫かも!』

 
 
 絵梨と電話で話してから二時間後。荷物を取りに行くと話すと、手伝うと雅輝と悠一が一緒に来てくれた。

 部屋にある家具など全て運びだした方が、いいのではないかと二人に言われたため、アトリエの雅輝に借りている部屋のウサギたちをアトリエに一旦、移動させ、片付けてから、ルームシェアしてる部屋に来たのだ。

 玄関の開けた瞬間、すぐに杏樹は異変に気付いた。

 それは、雅輝と悠一も同じようで、怪訝な顔をした。

「なっなに、これ!!」

 玄関にはブーツや靴が散乱し、キッチンも、皿やコップが棚から出されている。手前の杏樹の部屋をあけた瞬間、杏樹は絶句する。

 杏樹の部屋は、泥棒が入ったように荒らされていた。

「…杏樹、大丈夫…?」


 雅輝が優しく声をかける。

「…うん…びっくりした。」

 二人の会話の横で、悠一は、ケータイのカメラで部屋の様子をおさめている。
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