乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)

 杏樹たちはお風呂に入った後、三人でベットの下にしいたある布団に潜り込み、電気を消しながら話に花を咲かせる。

「ねぇ連条さんと付き合ってみてどう?杏樹、初カレじゃん。」

「知りたい、知りたい。」

 二人が目を輝かせながら、何を話してくれるんだろうと期待しているのが分かる。

「うん、ここにお世話になってる時から変わらないよ。」

「「いや、そうじゃなくて…。」」

 二人は声を揃え、真ん中に寝ている杏樹を覗きこんでくる。

「ぜ~んぶ杏樹にとっては初めてでしょ?キスとか~エッチとかはどうだった?」

「はっ!?」

「私たちはそこが知りたいんです~!連条さん、ずっと恋人いなかったし!」

 二人は横から次々に質問してくる。しまいには、自分たちの話をし出し、"え~意外~!"とか"こんなことしてマンネリ防止してます!"とか言い、杏樹は、聞くに耐えかねて布団の中に潜り込みやり過ごそうとする。

「杏樹には、刺激が強いかぁ。」

「まぁ、明日も仕事ですし、寝ましょ寝ましょ!」

と言いながら、二人は目を瞑りいつのまにか寝息が聞こえる。

 杏樹は、二人がそんな話をしたばっかりに、初めての時の雅輝を思い出してしまった。

 自分を優しく抱き締めてくれる腕や、甘くてせつない口付け、時には激しい喜びを与えてくれる行為、すべてが初めてで、杏樹は体が雅輝を欲している感覚を覚える。

 そんな幸せに包まれてしまい、心も体も繋がったのに、出てしまった雑誌のせいで二人は別々で過ごさないと行けなくなった。

 見てるだけで良かったはずなのに、一緒にいれば良かったはずなのに、雅輝の温もりを知ってい、今のこの距離がもどかしくてならない杏樹は、早くアトリエで二人で過ごすことを考えていたが、事態は思わぬ方へと転がっていく。

 あやめの父の策略によって…。
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