俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
そうなのだ。
加藤さんのあの話は元々桃山さんが聞いた話だ。彼女が加藤さんに告白したときに私のことを持ち出したところあの台詞が出てきたと言うことだ。
(後日華ちゃんが加藤に問い詰めて確認済み)
それはいい。
本当にそれならそれで何の支障もない。
確かに加藤さんからの過剰なスキンシップは困ることはあっても嫌な気持ちにはならなかった。むしろ、私こそ兄のように思っていた。
従兄弟のお兄ちゃんもあんな感じだったしな。
可愛がられて、喜んでいたのも悪かったかもしれないが、それを他人にどうこういわれる事はないとも思っている。
「━━━━華ちゃん。なんだか最近疲れます。歳ですかね。私を無視して周りが騒がしすぎます」
「………………とりあえず。コンタクトはめなさい。前髪もスッキリさせてあげる。杏はね、ちゃんと自分のことを知らなさすぎるのよ。杏はそのままでいいから。本の少しだけ変えましょう。そしたらあなたに誰も何も言わなくなるわ」
にっこり笑ってそう断言する華の意図は分からないが、確かにコンタクトにしなければパソコンの画面すら見えない。
それにそろそろ仕事にも戻らないと。
華の言うとおりにコンタクトを嵌め、華が目にはいるといけないからね、と前髪も弄ってくれた。顔がはっきり出てしまうのは気になるが今はそんな事を言っている暇はない。
華と話していただけで気分もかなり復活した。やっぱり華ちゃん大好き。
今お仕事をほったらかしにしている分今日は残業だ。
『私もそうだから、残業後ご飯でも行きましょう?』
可愛くウィンクと共に華が私を気遣ってくれた。
駄目だなぁ心配ばかりかけて。