俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「過保護ねぇ」

華に笑われながら、恭一に手を引かれて、素直に店を出ることにする。
この前のレストランの時は急激に回ったアルコールにパニックになってしまったが、今日はのんびり食べて飲んでいたためか、気分も悪くない。
込み上げてくる笑いに耐えられないくらいだ。

手を引かれながら一人クスクス笑って、完全に不審者だ。

「ふふふふふ。小早川君、何かお話してください。私一人笑ってるだけじゃ変な人じゃないですか。一緒に笑いましょ?」

「…………はぁ、変な奴になってる自覚はあるんだな。それに俺を巻き込むな」

「えーーー。じゃあ小早川君は変な子と一緒に歩いてるんですよ?いいんですかー」

「あのな、この会話がもう酔っ払いなんだよ。頼むから、俺の居ないところで飲むなよ。━━━ったく。なんで俺がこんなことしてんだか」


文句を言いながらも、手を握る恭一は優しい。思わず握り合う手を引き寄せて、その腕に抱きついてみた。
ピタリと恭一の腕に顔を寄せてすり寄る。すでに嗅ぎ慣れたその甘い匂いに胸がキュンとした。

「へへっ」

笑みが止まらない。
私に合わせて歩いてくれていたゆっくりとした歩みが急に止まり、何事かと見上げる。
何故か呆然として恭一もこちらを見ている。どうしました?と、顔を傾けて尋ねるも返事がなく、目を見開いて凝視してきた。

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