俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
はっ?
えっ?
両手で顔を覆ったままの格好の上から小早川君の腕が回されて、抱き寄せられていた。手を下ろすこともできなくて、回りが見えない状態で華と小早川くんの話にも頭付いていかない。
ただ、ひたすらクエスチョンマークが頭をぐるぐるして、私を上を交差する会話も頭の中を素通りする。
「川嶋、お疲れー」
「加藤くんもお疲れ様。思ったより早かったわね」
「だってこいつが急かすからさ」
加藤さん?
ガタガタっと、椅子に座る音がする。
しかし、私は未だ目隠し状態だ。
「えっと、あ、あの?加藤さん?お疲れ様です。あれ?小早川君?手を話してもらいたいんですが……?」
なんとか口を動かして、この状況を目で確認したくてお願いする。
緩むどころか何故か彼の腕に力が入った。
ちょっ、く、苦しいって。
「わりぃ。俺らこのまま帰るわ」