俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
タイミングよく捕まったタクシーに押し込まれ、告げた行き先は彼の家だった。
この急な展開に、頭が付いていかないなんて可愛い子ぶった考えが出来るほど子供じゃなくて、そりゃ全く経験はなくても色々予想ぐらい出来てしまう。
ただ、自分でもびっくりしたのがあんなに緊張して、不安だった筈なのに何故か心は穏やかだった。
華ちゃんとの話をどこから聞いていたのかとか、聞かれていた事実に胸が煩いくらいドキドキして、恥ずかしくて、恥ずかしくて小早川君の顔をまともに見れなかった。
うつむいたままの私に、彼もなにも言わなかった。
だけど、タクシーの中でも繋がれたままの手を離そうとも思わなかった。
離したく、なかった。
自分でも分からないこの感情を言葉に出来なくて、
ただ単純に
彼と一緒に居たかった。
彼に触れていたかった。
彼に━━━触れてほしかった。