俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「…………ふっ、━━━ん、……」
駄目だと思っても溢れてくる涙を堪えようとしても声が漏れる。
駄目よ。
震える手でロッカーを閉め、鞄の中から携帯を取り出した。
「ふっ、…………ん。…………」
その場にしゃがみこみ、アドレスをタップする。履歴から恭一君の名前を見付ける。
━━━━━━━恭一君!!!
携帯の名前を見るだけで涙が溢れてしまう。
駄目だ。
彼はまだ県外だもの。
仕事の邪魔をしちゃ駄目よ。
「………………ん、」
華ちゃんの番号を呼び出して電話を掛けようとしても、指が震えて中々タップできない。
カツンカツンと画面で指がぶつかる。
眼鏡に涙が溜まって画面が見えずらい。
やどとのことで華ちゃんに電話を掛けて、涙でぐちゃぐちゃの眼鏡を外して、ケースにしまう。
タオルを取りだし化粧が崩れないように目元を押さえた。
「もしもし?おはよー杏」
「…………は、華ちゃ、……ん、、、」
「もしもし?杏?あれ?さっきライン返信したわよ?」