俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

「…………何よ、これ」


私から事情を聞き出し、ガン!と音をたててロッカーを開ける。
怒気の籠った物言いに、心配を描けてしまったと申し訳なくなった。

ハンガーからビリビリに破れたシャツを取り除こうと手を伸ばし━━━━かけて、彼女は徐に携帯を取りだし写真を撮った。
「念のためよ」
「これも、気持ちが悪いけどきちんと残しておきましょう」

そう言って、自分のロッカーからショップの袋を取りだし、そのシャツを閉まった。


怖くて、気持ち悪くて、泣くことしかできなかった自分が恥ずかしい。
立ち上がり、自分の足で立ち向かわなければ。
< 209 / 246 >

この作品をシェア

pagetop