私のいとおしい残念な男達

そう言われて手を離し、自分たちの電車の時間を見に行ったモモちゃん


「ちゃんと送ってあげてね。今日モモちゃんちょっと酔ってるみたい」

私の方を向き直した黒木にそう言って軽く手を振ると

さりげなく黒木の右の手のひらが頰に伸びてきた


「赤、お前酔ってないよなぁ」

「!!」

逆にカッと顔に熱が上がる

思わずふるっと首を振り、その手を振り解いた


「お、思ったより外が暑かったからよ。酔ってないからっ」

「ふぅん、お前電車何分くらい?」

いつもの黒木のトーンで聞かれてるし、別に変わらない距離なのに

自分で制御不可能な心臓の動きに伴い、それが顔に出てるようで上げられないまま

「じ、10分位ですぐだから……」



「黒木さぁん、もうすぐ来ますぅ」

改札口からモモちゃんに囃し立てられ、「分かったよ、ったく……」と首を向ける


「じぁ」と、身体を翻す黒木に俯いたまま手を振った


「……………はぁっ」

帰っていく後ろ姿を見送って、この不可解な心臓に溜め息をつく




「なにやってんの?あんた」


「へっ?」

私たちのやり取りをずっと見学していた舞子と阿部君が、まだそのままそこにいた

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