私のいとおしい残念な男達
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「そう言えば阿部君、小夏の存在も知ってたのね」

小夏と別れバスターミナルに向かい、バスを待つ二人。そのまま会話は続く


「ええ、元々黒木さんと仲が良かった桐生さんの彼女さんで、二人が別れた事も結構噂になってましたからね」


「まあそれはそうだけどでも、小夏を捜してた黒木君をおかしいと思わなかった?」


首を傾げながら疑問を投げかける舞子に、阿部君は肩を下げる

「あー……いつもの事ですからねぇ」

「いつも?」


意外にも同じ方向のバスに乗り込み時間の割に人が乗っていたため、手摺な掴まり立ったまま会話が続く

「黒木さん、企画が詰まると大概七瀬さんの入るフロアーの前後の階に降りて行ってコーヒー買って休憩所で飲んでるんです」

「前後?そのフロアーじゃなくて?」

舞子がさらに首を傾げ眉をひそめる


「そのフロアーだとバレるからじゃないんですか?七瀬さんに」


「いや、前後の方が意味ないんじゃない?」


う〜んと、考える阿部君が顎を持ち上げ視線を上にあげる


「俺が思うに、七瀬さんの噂を気にしてたんだと………最近は消えましたけど一時期は酷かったから、特に別れた頃のヤロー達の話は」


「あー……まあねぇ」


どうしてああも面白がっているのか、下世話な噂が一時的に広まっていた

辛うじて小夏の耳には入らなかったみたいだが

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