私のいとおしい残念な男達
空港で和馬を見送った後、行き先も聞かないまま黒木に手を引かれて移動した
昨日の雨から比べれば今日は快晴なのだけど
空気が冷たくて、そこそこ弱い風が吹いても肌が震える寒さだ
【 2012号室 】
「…………」
ここから、昨日の霧雨で洗われた後の街を見下ろすと、日のまだある時間でも街並みは綺麗に見える
そしてこの部屋の窓から見える景色は、きっと夜景も綺麗なんだろうと、私でも想像できる
が、
「………どうしてここなの?」
ここまで何も考えずにただ手を引かれるまま
ついてきてしまったけど
「もう外歩き回るのは寒いだろ?腹もまだ減ってないし」
それは分かる
「それに、その泣きっ面でどこ行こうって言うんだ?」
確かに
中扉から入って正面に広がる壁際すべての窓のその景色に目がいってしまう
ってか、普通よりお高いでしょ………ここ
ダブルベッドにソファーコーナーなんて、こんなに広いし
「予約してたの?」
フロントは予約で通ってきた
じゃなきゃ、大通りのイルミネーションの見える部屋を週末になんて無理だろう
「今日はもう、予定はないだろ?」
………う、ないけど
「ほら、こいよ」
「…………」