私のいとおしい残念な男達


「.……………」


はぁっ…っと、思わず心の中で盛大な溜め息をついた

確かに和馬の幸せは自分の事のように嬉しいけど、まさかここまで丸投げされるとは…………

さすが和馬、私が話せば自分は波瑠に嫌われなくて済むとか?

私だって、波瑠に和馬を嫌って欲しくない
だから今は、波瑠の抱き始めた疑問を全力で弁解しなきゃいけないじゃないっ

相変わらず合理的で計算高くて、いつまでも私たちの一歩先にある『自分の道』を常に見つめ進んで行こうとする


桐生和馬、やっぱり全く掴めない奴だ

それに、何より気に入らないのはこの和馬の隣で微笑む「ビル」という相手だ


「なんか…………やっぱり波瑠に似てる」

和馬の好きなタイプがしっかり分かる
やっぱり結構メンクイなんだ

まぁ、人のことは言え無いけど…………



「本当に和馬がゲイ…………?」

なかなか理解出来ないのか、それとも自分なりに10年以上の親友関係の中で、彼のそれらしい行動があったのだろうか………?

どおすんのよ、これ………


難しい顔をしている波瑠に、そっとコーヒーを入れた

それをダイニングテーブルに座る波瑠の前に置くと、考え込んでいた顔を私に向けた


「…………ごめん波瑠、私は知ってた」


とりあえずそう言ってみた


「いつから?」

コーヒーには手を付けないまま、隣に立つ私の手を取った

「…………別れる半年くらい前かな、和馬に教えてもらった」


「お前と付き合ってる時から?」


「和馬にとって、人を好きになるのに性別は関係ないんだって言ってたけどね」

私にとっては、昔の出来事だけど
改めて思い出すと、ちょっぴり胸の奥がチクッとする


さりげなく繋がれた手を握り返してみる



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