私のいとおしい残念な男達
「………小夏」
黒木が呼んだので、もう出口なんだと思った
だからそっと目を開けてみた
「え、あれ?」
その場所は、およそ出口には見えない穴が無数に開いたボロボロの襖が両側にある廊下の真ん中
隣の黒木を見上げるが、
次の瞬間
「!!!」
そのボロボロの襖の一つ一つから青白い手が
一気に私に向かって
バババッーー……!!
「ひっ………きぃやぁぁぁァァァ--っ」
私は今まで出した事のない声を出した
「……………」
「小夏、小夏さん、こなっちゃぁん…………」
黒木が パックのリンゴジュースを差し出して私のご機嫌うかがいをする
ぷくぅっーと頰を膨らましたまま、まだ心臓のドキドキで目に涙さえ溢れて止まらない
本当にああゆうのはダメなんだから…………
それなのに、まだ肩を揺らす黒木
「クックッ……見ろよ、お前の悲鳴を聞いてお化け屋敷が大繁盛だ」
「ううっ…………」
「気の強い小夏にも、あんなに苦手なものがあったとはねぇ」
ニヤニヤとしてそう言う黒木
くそぅっ……まるで弱みを握られたみたいだ
小さい頃、弟と家の中で隠れんぼをして、飽きた弟に放っておかれた事があった
暗い押入れの中で我慢して弟を待っていたが全然探しに来ない。