哭く花

「あら、おはよう美岬ちゃん」

ドアを開けたままにしていたからか、凛子さんが気づいて、声を掛けてくれた。

「おっ、おはようございます」

ワンピースのような部屋着を着た凛子さんは、お人形のように美しかった。

「入りなよ、美岬」

先生も次いで声をかけてくれる。

うん、と返事をすると、先生の隣に腰を下ろした。

「あ、そうだ、紅茶飲まない?」

凛子さんが立ち上がる。

「いただきます」

「じゃあ準備するわね」

そしてポットを片手に、慣れた足取りでキッチンへと去っていってしまった。


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