哭く花

私は、リビングを出て先生を探した。

まだ寝ている訳では無いだろうし、と、ふとクローゼットを見上げる。

「あそこかなぁ、着替えてるのかも」

私は一人で呟き、階段に足をかけた。

階段を登りきり、左に曲がってクローゼットへ向かう。

大きな扉に手をかけ、よいしょ、と引く。

薄暗い照明に照らされたクローゼットに足を入れる。

「せ、んせー」

雰囲気にのまれ、静かに声を発する。

大きなクローゼットからは音がしなかった。

私はとりあえず着替えようと思い、

パジャマの前をはだけながら、自分のたんすへと向かった。

その時。

「おま!何してんだよ!」

奥の方にいた学道くんが、私の姿を見て声を荒らげた。

私は自分の姿を確認した。

はだけたパジャマ。その下にはそのまま下着が見えていた。

「ひゃ、ご、ごめんなさい!!」

私は咄嗟に手ではだけたパジャマを元に戻すと、クローゼットの出口へと向かった。

思い扉を、体を使って押し開け、

外に飛び出すと、誰かにぶつかる感覚がした。

「おっとと」

「ご、ごめんなさい!」

よろけた体を立て直し、見上げると、

そこにはほたくんが立っていた。

私の様子を見たほたくんは、

ちょっとごめんね、と私に微笑むと、

クローゼットの中へと消えていった。

< 128 / 133 >

この作品をシェア

pagetop