哭く花
クローゼットの扉が閉まる。
───薄暗い中に学道の姿を確認する。
学道は、壁にもたれた状態で、キャップを指に掛け、回していた。
「おまえさぁ」
俺の声に気づいた学道の目つきが変化する。
「ちが、俺は何もしてねえよ!?」
キャップを床におき、手をついて腰を上げ、反論しようとする姿。
俺は、その上にのしかかり、
胸ぐらを掴んだ。
「っ!」
一度あげた腰が、再び、俺の重みで床に落ちる。
声にならない声を上げる、目の前の小さな弟。
さらに俺は、空いた片方の手で、顔をあげさせ、目が合うように固定した。
「好きだからって、大概にしとけ」
涙目で悔しそうな顔をする学道。
流石にやりすぎたかな、手を離し、
「いいか、空気を読めよ」
と、肩を掴んで二、三度揺すり、
そのままクローゼットをあとにした。