哭く花
英語の授業も半分が過ぎて、
皆うつらうつらと首がかたむく。
雨はまだ止まず、
授業のない空きの先生たちが毛布を抱えて教室を行き来する。
やっぱりお泊まりか、
そんなことを考えつつ、
重い瞼が閉じきってしまわないように
行き来する先生を眺めた。
しばらく眺めていると、
記憶に新しい影が廊下の窓をよぎる。
その影は毛布を持っておらず、
さっき見たゆっくりと歩む背中とは違って
一瞬でドアの前へ現れ、
躊躇うこともなく手をかけると、
勢いを保ったままにそれを開いた。
教室が一瞬で静まる。
ただ雨の音だけが沈黙の教室に響き渡った。
はあはあ、と荒れた息を整えながら
ゆっくりと上げた顔は
やっぱり、森本先生で
「み、美岬さん、すぐに来てください」
歪んで崩れそうな顔の先生は
そう声を絞り出してその場に座り込んだ。