哭く花
そのままクローゼットの前で、ぼうっとしていると、
着替えを終えた学道くんが、ドアの向こうから姿を見せた。
「純兄なら、朝風呂だよ」
目が合った私に、そうぶっきらぼうに言い放つと、
彼もまた階下へと去っていった。
私は、クローゼットにもう1度入り、
自分のたんすを開けて、夏物のワンピースを取り出した。
真っ白で薄い生地の、くるぶし丈の、袖なしワンピース。
お母さんとお揃いの、お気に入り。
私はそのワンピースを身につけ、上から黒いカーディガンを羽織った。