哭く花

そのままクローゼットの前で、ぼうっとしていると、

着替えを終えた学道くんが、ドアの向こうから姿を見せた。

「純兄なら、朝風呂だよ」

目が合った私に、そうぶっきらぼうに言い放つと、

彼もまた階下へと去っていった。

私は、クローゼットにもう1度入り、

自分のたんすを開けて、夏物のワンピースを取り出した。

真っ白で薄い生地の、くるぶし丈の、袖なしワンピース。

お母さんとお揃いの、お気に入り。

私はそのワンピースを身につけ、上から黒いカーディガンを羽織った。

< 132 / 133 >

この作品をシェア

pagetop