哭く花
ぐるぐると何周かした私達は、

それとなく家に帰る空気になって、

元来たようにドアに鍵をしっかりとかけて

二人で車に乗り込んだ。

「たのしかった」

「それはよかった」

「…またきたい」

いつでも連れてくるさ

先生はそう言うようにそっと頭をなでてくれた。


穏やかな帰り道は対照的にすっかり暗くて、

家に着いた頃には暗闇の中で鈴虫の声だけが聞こえていた。

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