哭く花

コーヒーを飲む先生を少し眺めて、

頬の筋肉が少し緩んだのを確認してから

私は先生の部屋を出て、自分の部屋へと向かった。

ドアを開けると正面に広がる大きな窓。

月明かりが揺らめいていた。

木製の年季の入った机に腰掛けて、

足を揺らしながら思いを巡らせた。

会わせたい人って誰だろう。

「…家族?……恋人?」

恋人、と口にした自分の胸が

少しざわめいて、

月明かりに照らされた。

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